第3章 庭づくりと栽培: 砂利の園路


第3章 庭づくりと栽培 Construction and Cultivation 


ఔ 砂利の園路 SCREE PATHS ఔ


 園路にはちょっと問題があります。深耕花壇スタイルで栽培される装飾的な菜園では、土を踏みつけずに耕作するには園路は絶対に必要ですが、かなりのスペースをとってしまいます。

 さらに困ったことに、細い園路は庭の見かけを小さくみせる効果があり、みすぼらしい窮屈な感じを与えがちです。一方、幅の広い曲がった園路は立派な広々とした印象になります。しかし、ちゃんとしたガーデナーなら少しのスペースでもコンクリートや砂利や敷石にするよりも、できるだけたくさんの植物を植えたいと思うものです。砂利の園路はすべての問題を完全に解決します。

 まず最初に園路をつくる予定の場所に2本の線で目印をつけます。幅は私は75㎝にしましたが、もっと広くするのは構いません。しかし、これより狭くすると植物が繁って園路が分からなくなってしまいます。

 作業をしやすくするために、目印の線より少し広めに土を10~12㎝の深さに掘ります。木の板を使って砂利が散らばらないようにする縁どりをつくります。断面が7.5×2.㎝で防腐剤の処理をされたものを使います。そうすれば、文字通り生涯にわたり長持ちします。

 縁どりの板は土に打ち込んだ木釘で固定をします。木釘は板より少し低めにして土がかぶさることで見えなくなるようにします。

 縁取りの板を木釘に固定するときには両側の板の高さが水平になるようにします。

 石板は水はけの良いコンポストの上に敷きます。掘り出した土3に対して水ごけ1、粗い砂2の割合でコンポストはつくります。

 縁どりの板の間のコンポストを濡らし、大まかにレーキでならします。全体を見ながら、芝植えつけの時のように(芝の項を参照、p.64)、踏みならします。



石板を敷いてハンマーの柄でたたいて高さを調整します。下のコンポストの高さを石板を敷く前に合わせておくのが良いでしょう。石板の高さは両側の縁どりよりわずかに低くしておきます。これは両側の縁取りに角材を乗せれば容易に確認できます。すでに敷いた石板とも高さが同じなのを直定木を使ってチェックします。

 また、両側の縁どりから同じ距離に石板が置かれているかも確認します。これには小さな木片を縁どりと石板の間に挟んで行うと簡単です。

 次は石板の間に、コンポストをつくるときに使ったのと同じ粗い砂をいれ、いよいよワクワクする仕事に入ります。

 植える植物選びには注意が必要で、不注意に踏まれて植物が結構傷むことがあることを念頭において下さい。多くの高山植物が適していると思います。これらを石板の間に植えつけます。最終的に植えつけた植物は広がっていって石板の硬い輪郭を和らげてくれます。実際、2年目からは時々全体を少し刈り込んでやる必要がるかもしれません。



 石板は最初少し沈み込むことがよくあることは言っておかなくてはいけませんが、勿論平均して沈むわけではありません。事実、少しの沈み込みは見た目のフォーマルさや硬さを少なくしてくれますが、ひどく沈下した石板ははがして下にコンポストを少し足してやる必要が出るかもしれません。ですが、半年もすれば植物の根が石板を安定させて沈まなくなります。

 装飾的な菜園では密に植栽するため、剪定、誘因、結びつけなどがたくさん必要になり、砂利の園路も例外ではありません。用いる高山植物の多くは日光を好みますから、花壇の植物が覆いかぶさらないようにする必要があります。ですから、いつも目を離さず、特に夏の時期は成長が速いので花壇の植物は必要なだけ刈り込むようにします。砂利の園路に適した植物については、第5章の「砂利の園路の植物」の項をご覧下さい(p.153)。