第3章 庭づくりと栽培: 芝生


第3章 庭づくりと栽培 Construction and Cultivation 


ఔ 芝生 THE LAWN ఔ



 芝生づくりは比較的簡単な作業ででき、最初にうまく始められれば大満足な芝生にできます。もし雑草の混じった芝生を買ったり、芝を植える地面の適切な下準備を怠ったり、不適切な種を蒔いたりすると、心痛を重ねるだけになってしまいます。最初から正しい方法でやれば、芝生の上で横になる時間も少しはとれるでしょう。


準備 Preparation

 いったん芝を植えてしまうと、その下の土には手が届かなくなるので、あらかじめ十分に土の準備をするのは大切です。ほとんどの多年草の雑草は定期的に芝刈りをするようになると消えていってしまいますが、タンポポやデージー、キンポウゲな地面に接して成長する植物は成長点が芝刈り機では切れないため、草取りしなくてはなりません。この場合は、掘り出して根も残さないようにすれば大丈夫です。本当に有害なイワミツバやシバムギでもこれには勝てません。

 種から始める場合には、一年草の雑草が問題となりますので、「おとり播種」法で取り除きましょう。これは種を蒔く地面の下準備をするのに用いられる古くからある伝統的な優れた方法です。まず土を大まかに耕して平らにならします。そして1週間ほど放置すると土の中の雑草の種が発芽してきます。そこで鍬(ホー)を使ってそれを取り除き、最終的に平らにならしてからすぐに芝の種を蒔きます。そうすれば雑草より芝の方がよいスタートが切れ、競争なく成長することができます。

 もし土がとても固い場合は、水はけが問題になります。排水渠を設置するとよいとよくアドバイスされますが、問題はどこに排水するかということです。適当な排水路がない場合には、私は別の方法をお勧めしています。地面を耕すときに粗い砂を混ぜ込むのです。理想的なのはアスファルト道路に用いられるような豆砂利です。建設資材を扱う店で入手可能です。土が固ければ固いほどたくさん豆砂利をいれます。2.5㎡当たり一輪車一杯分以上が目安です。そして同量の堆肥も加えます。表土の下に固い土の層があるときには二重掘りが必要ですが、なければ芝生には表層掘りで十分でしょう。

 フォークの背で大まかに平らにならして凹凸をなくし、表面が乾いて長靴に土がくっつかなくなったら踏みつけて土を固めます。

 最終的に平らにならす作業はちょっとむずかしいので、少し時間をかけてください。時々後ろに退いて頭を地面すれすれに近づけ地面を横からみると高い所と低い所を見つけることができるでしょう。




種か芝生か? Seed or turf?

 もし芝が踏まれてかなり痛みそうなら、高品質の芝生や最高の種を買っても無駄です。粗いイネ科の草や雑草が生えてくるでしょう。もし二日に一回は芝刈りをするつもりがあり、たくさんは植えないのであれば、高級な芝にしてもいでしょう。

 いよいよ高品質に栽培された芝生を買うことになりますが、値段は高いです。しかし、質の良くない雑草の混じった芝生を買わされる不安や危険性はなくなります。必要な芝生の品質を指定すれば、均等に刈りそろえた雑草の混じっていない芝生が手に入るでしょう。芝生の大きな利点は、当然ですが、すぐに効果がでることですが、種よりも何倍もお金がかかります。

 もし種を選ぶのなら、私のおすすめは新しいライグラスの種です。植物育種家はすぐれた痛みにくい芝の品種をつくりだしてきていて、口うるさい芝生のオーナーたちにとっても十分美しく満足できるものです。注文の際には、1㎡当たり30gで計算してください。