第7章 野菜: 何を育てるか

第7章 野菜  VEGETABLES



ఔ 何を育てるか SELECTING WHAT TO GROW ఔ




 もし広大な菜園があるなら、あらゆる野菜を育ててみてください。収穫のよろこびに勝るものはなく、自家製の野菜に勝る健康的な食事もないでしょう。でも多くの人には十分なスペースの菜園など残念ながらありませんので、仕方なく選択を迫られることになります。

 何を育てるかを選ぶ際のルールの第1は、農家や大規模農場から自分で作るよりよい品質のよいものがより安く店に並ぶようなものは避けることでしょう。旬の時期のジャガイモはその好例です。農家より安く作るのは無理ですし、自家製は自分で保存しなくてはならないので、品質や新鮮さも劣ります。ただ、無農薬で育てる機会があるとすれば、もちろん利点はあります。旬の時期のエンドウ豆も同様です。冷凍食品会社はもっとも良い状態の日にいっせいに収穫して、すぐに冷凍保存することができます。私には風味などとくに変わらないように思えます。ですから、スペースが狭いならば、この二つはまずやめておくべきでしょう。でも、早生のジャガイモはとても味がよいので私は育てるでしょうし、サヤエンドウはなくてはならないと思います。

 第2のルールは、店にでるものより収穫直後のほうがはるかにおいしい野菜は育てようということです。ホウレンソウやレタスは収穫直後はとてもおいしく、しおれる前に使われるべきです。また、スイートコーンはもぎたてはとてもとても甘いてすが、時間とともに種の中の糖がデンプンに変わっていくため甘さがなくなっていきます。古いガーデナーは茹でる準備をしてから菜園に収穫に行くべきだと考えていたくらいです。

 野菜によってはより風味がすばらしい品種を育てられる自家製のほうがよいものがあります。農場では生産が高く、病気に強く、均質で見栄えがよいことが重要視され、風味はあまり重視されませんが、ガーデナーは好みの品種を選ぶという贅沢ができるのです。「アルサクレイグ」という品種のトマトや、「コンコルド」という早生のジャガイモなどはあなたもきっと私と同意見でしょう。

 最後のルールは、高価な野菜や手に入りにくい野菜を育てることです。アーティチョークの栽培農家はきっとお金持ちだと私はおもっています。というのはその値段がとても高いからです。私は店で売られているものより5倍はおいしいものを5分の1の経費で自分の菜園で育てる自信があります。