第8章 樹木の果実: サクランボ

第8章 樹木の果実  TREE FRUIT



ఔ サクランボ CHERRIES ఔ



 サクランボは、甘いのも酸っぱいのも、装飾的菜園では常にファン仕立てでフェンスや壁に誘引して育てるべきです。新しい半矮性の台木に接いでも自然樹形で育てると大きくなってしまうため、鳥よけのネットでおおうことが難しいのです。そして、この菜園では特に、自分でサクランボの実を食べられるようになれる見込みもあまりありません。あなたが呼び寄せた鳥たちはあなたより朝早く目覚め、早く庭に来ます。フェンスに誘引すれば実を守るのも簡単です。春の花や夏の果実、そして秋の紅葉と、見た目もとても魅力的になります。


品種 Varieties


 信頼できる自家稔性のサクランボの品種はひとつしかありません。小さな庭では2本植えるスペースはないでしょうから、この品種を選ぶことになります。'Stella'はかなり成長旺盛で味はベストとは言えないかもしれませんが、十分よいと思います。その実はとても大きくて黒い色をしていて7月に食べられるようになります。
 北向きのフェンスの利用のために酸っぱいサクランボを育てることが多いと思われますから、それで受粉できる甘いサクランボの品種を植えるのも選択肢の一つです。'Bigarreau Gaucher'は黒い大きな実をつけ、味もとても良い品種です。これは花が遅く咲きますから霜の被害にあいにくく、'Morello'の花粉で受粉でき、7月に熟します。
 'Morello'はもっとも人気のある酸っぱいサクランボで料理に使ったりジャムにするととてもおいしい品種です。自家稔性があり、収量も多く、北向きのフェンスや壁で春に咲かせる花はとても魅力的です。7月から8月に実は熟します。




台木 Rootstocks


 現在のほとんどのサクランボは半矮性の台木のColtに接いであります。矮性の台木に接いであるリンゴの木と違って、小さな木に育つわけでは決してないことは注意が必要です。しかし、少し若い木でも実をつけるようになるのは確かで、最終的な樹高はほかの台木に接いだ木の1/3ぐらいになります。Coltは酸っぱいサクランボにも甘いサクランボにも適しています。


植え付け Planting


 甘いサクランボは西に向いたフェンスに、酸っぱいサクランボは北に向いたフェンスに植えます。2本植える場合には、甘いサクランボでは3.6メートル、小さめの品種'Morello'では2.4メートルの間隔をとります。他の果樹と同じく、台木と接いだ部分が地面より十分に上にでていることを確認します。定期的にマルチングをするために地面が高くなることが多いからです。サクランボはウイルス病にかかりやすいので、ウイルスがついていないことをお店で保障してくれるか確認しましょう。


剪定 Pruning


 スモモに似て、サクランボは銀葉病や細菌性癌腫病にかかりやすいため、剪定は少ないほど良いでしょう。剪定は4月から8月の成長が旺盛な時期までしないようにします。
 甘いサクランボの剪定と誘引はスモモと同じです。酸っぱいサクランボは前年に伸びた枝に実がつきますからモモと同じ剪定をしますが、側枝は少し密に5cm間隔とします。


手入れ Cultivation

 ポリエチレンシートで霜から守り、6月にはネットをかけて鳥から守ること以外には、あまりすることはありません。乾燥期にはもし可能なら水やりをすると良いでしょう。



収穫 Harvesting


 十分に甘くおいしくなるまで木にならせておきますが、割れる前には収穫します。実に柄をつけたままもぎますが、カビの病気の侵入となるような枝の傷をつくらないように気をつけます。ですから、ハサミを使って収穫することをすすめます。収穫後数日はもちますが、瓶詰やジャムにするとうまく保存できます。
 平均的なファン仕立てでもおよそ480グラムぐらいは収穫できますが、全部の実を採ってすぐに喜んで食べることができないガーデナーにはまだ会ったことがありません。