第8章 樹木の果実: メドラー

第8章 樹木の果実  TREE FRUIT



ఔ メドラー MEDLARS ఔ



 メドラー(セイヨウカリン)は昔を思い起こさせるすばらしい果樹で、歴史的な意味から私も一本は植えてみたいと思います。果実として、フレーバリングとして、そして医学的な目的で16世紀には広く栽培されていました。しかし、Cobbettはずっと後になってですが、その果実は腐ったリンゴよりちょっとましな程度の味だと記していることは認めなくてはなりません。食べるうちにだんだん好きになる嗜好品なのです。
 果実はあまり好まれませんが、その見た目の美しさのためだけでも育てる価値があります。この小さな木は自立し、曲がったりねじれたりする枝のために冬でも魅力的です。そして5月や6月には淡いピンクの花でおおわれ、秋には葉は濃い小豆色に紅葉します。


品種 Varieties



 おそらく一番よい品種は'Nottingham'だと思います。すばらしい味の小さな洋ナシの形の実をつけます。'Royal'という品種も素晴らしく、とても味の良い果実です。



台木 Rootstocks


 メドラーはそのまま育てるかあるいは、洋ナシや マルメロ用の台木に接いで育てられます。接ぎ木しても木の大きさは特に変わらないようです。

植え付け Planting


 メドラーは耐寒性が強いので、少し高い木が必要な場所ならどこにでも植えられます。



剪定 Pruning


 ほとんど剪定は不要です。枯れ枝や病気の枝、込み合いすぎた枝などを冬に剪定し、適宜切り詰めて形を整えます。



収穫 Harvesting


 11月の初めごろに収穫の時期を迎えます。簡単に枝から取れるようになったら収穫します。まだ収穫時は果実は硬い状態です。

 収穫後には砂の中に3週間ほど保存しますが、果実の柄は外に出しておきます。そうすれば果実は軟らかくなり、食べられるようになります。この過程を「ブレッティング(発酵)」と呼んでいて、見た目には茶色くなって腐っているように見えるので、みんなびっくりしますが、一度食べてみると心地よいリンゴに似た味を経験できます。
 その後は日持ちはあまりしませんが、おいしいゼリーにすることもできますし、これを美食家たちはコンポートで味わうのに追い求めたりします。