第9章 ソフトフルーツなど: (9) イバラのベリー類

第9章 ソフトフルーツなど  SOFT FRUIT - AND SOME OTHERS



ఔ イバラのベリー類 BRIAR FRUITS ఔ



 イバラのベリー類にはブラックベリーやローガンベリー、そしてその交配種が含まれます。いずれも育て方は同じです。私はこれらは大きな農園での栽培に向いていると思っています。それは、栽培には広いフェンスのスペースが必要ですし、支柱とワイヤーで育てるにしてもやはりかなりのスペースを要します。花や実がつく時期はきれいなものもありますが、コンパクトに育てる方法を私はまだ見出していません。いつの日か、「ブラックベリーの木」が開発されるかも知れませんが、今のところまだありません。また、ヘッジロー(生垣)の野生のブラックベリーに比べると、栽培のものは味も劣るようです。ただ、ローガンベリーやテイベリーはとてもおいしいです。もちろん、自分の庭で育てれば有害な農薬を使っていないことは自分で分かりますし、逆にヘッジローでは農薬がかかっているかどうかははっきりしないとは言えます。


品種 Varieties


'Ashton Cross'はブラックベリーでは最高の味の品種で、野生のものに近く、酸味があります。ほかの栽培品種よりサイズは小さめで、枝もたぶん細く、成長の勢いも強くありません。しかし、収量は多く、8月の初めから9月の終わりまで収穫できます。

テイベリーのMedanaは、ラズベリーとブラックベリーの交配品種で、実は大きく、料理するととても味が良いですが、生で食べるには少し酸っぱいでしょう。7月から8月中旬までが収穫期です。

ローガンベリーのLY654は、ローガンベリーの最高の品種です。番号はこの品種が作られたイーストモーリング研究所でつけられた交配時の番号です。何かの理由で、名前が付けられなかったようです。トゲがないため扱いやすく、本当に素晴らしいです。ウイルスを除いており、収量が多く美味です。スペースが狭い場合はブラックベリーの代わりにこれを植えたいですね。


植え付け Planting



 秋に支柱とワイヤーにあるいはワイヤーを張った日当たりの良いフェンスに30cm間隔で植え付けます。定期的にワイヤーに枝の誘引が必要なので、手の届きやすい場所に植えるようにします。(ウイルスがついていない苗を果樹専門業者から買いましょう)


誘引 Training



 植え付けたあと、地面から15cmの高さで茎を切ります。枝(シュート)が育ち始めたらワイヤーに誘引します。もし2本植えるのでしたら、3メートル離しましょう。二つの誘引の方法があります。

 果実は1年経った枝につき、そのあとこの枝は切り、新たに出てきた枝を次の年のために誘引します。一番簡単な誘引法は半分ファン仕立てです。最初の年のシュートを一方に集めて誘引し、次の年のシュートを左に誘引するのです。そうすればどれを切ったらいいか一目瞭然です。

 もう一つの方法は、実がつく枝をファン仕立てにし、新しく出てくる枝を中央に集めて誘引する方法です。実をつけた古い枝を切ったあとは、新しい枝をファン状に広げて誘引するのです。

 どちらの方法をとるにしろ、新しく出てくる枝を伸びるのにしたがってワイヤーに誘引していきます。一度地面に近いところで絡まってしまった枝をほどいて誘引しようとしても決してうまくいきません。



手入れ Cultivation


 二月のうちに骨粉などの肥料を与え、堆肥や肥やしを使って地面をマルチングしておきます。水やりは特に実が大きくなる時はよく与え、雑草も取り除きます。実が色づいてきたらネットを張って鳥から守ります。この季節は湿度が低いため鳥たちは果実のジュースを好むため、ネットは大切です。


収穫 Harvesting


 収穫は熟したものから順次行います。茎はあとで切り取りますから、ヘタからはずして採ります。生のままではもたないので、ジャムにしたり冷凍にしたりして保存します。