第9章 ソフトフルーツなど: (12) イチジク

第9章 ソフトフルーツなど  SOFT FRUIT - AND SOME OTHERS



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 私たちの菜園プランに適したもう一つの植物がイチジクです。イチジクの葉はとてもエキゾチックで美しく、たとえ実がならなくても植える価値があります。しかも、暖かい地域で南または西向きの壁ぎわなら良い実をならすのも簡単です。寒い地域でも温室内であればあまり問題なく実をつけさせることができます。


品種 Varieties



'Brown Turkey'は信頼できる品種のひとつで、早く良い実をつけます。実は大きくて洋ナシ型でとてもおいしいです。

'Brunswick'は黄色い果肉の良い味の大きな実をつけます。耐寒性も強く、外で育てるのに適します。たくさんの葉が実にとても魅力的です。




植え付け Planting



 屋外ではイチジクは温かい壁沿いに植え付けます。屋外でも温室内でも根の張りを制限して実をつけやすくします。理想的な場所はパティオで敷かれた石板を外した所です。粗い砂や小石を深いところに入れて、その上に肥やしや堆肥を加えて改良した土を戻します。苗木は一般に鉢で育てられているので植え付けは特に時期を選びません。

 温室なら大きな素焼きの鉢がベストです。私は土と堆肥と粗い砂を等量で混合した培養土を入れ
た直径45cmのポットに植えてとてもうまくいっています。鉢は壁際においてファン仕立てにしたりできます。スタンダード仕立てのものも購入は可能で、高さ120~150cmのところで枝がでています。夏は屋外に出し、寒い時期だけ屋内にいれるので、スペースを取らずに小さな温室の庭ではとても重宝します。パティオにおいてもとても見栄えがします。





剪定 Pruning


 枝を扇状に誘引して壁の23cm間隔のワイヤーに誘引します。軟らかい紐で結びつけます。剪定は葉が落ちてから古い枝を切り戻して、新しい元気な枝を出させるようにします。時には伸びすぎた枝を夏の時期にも切り戻す必要があります。果実は新しい枝につきますから、毎年古い枝を切り戻して新しい枝を出させるようにします。スタンダード仕立てでは樹形を保つために慎重な剪定が必要で、いったん頭の部分の形ができた後は古い枝を芽を2個ほど残して切り戻すようにします。


手入れ Cultivation


 春から夏は十分な水やりをしますが、冬はごく少量にします。初夏に実が大きくなり始めたら液肥を毎週与えます。寒い地域では実が大きくなるのには2シーズンを要しますから、冬に小さな実を見つけたらそのまま残しておけば次の夏に大きくなって食べられるようになります。もし果実が大きすぎると霜でやられるおそれがあるので、支柱で支えたビニールシートで保護してやるとよいでしょう。寒い気候の間も温室では同じ理由でゆっくりと実は熟していきます。


収穫 Harvesting


 実が軟らかくなって香りがしてきたら収穫です。ドライにして保存することができます。